髄腔内投与とは 

乳児型(主にⅠ型)のSMA患者さんを対象に行われたスピンラザの臨床試験では、解析の対象となる患者さんの11.3%(80例中9例)に副作用が認められました。主な副作用は発熱2例(2.5%)であり、その他、頻脈(脈が速くなる)、貧血母斑(白いあざがあらわれる)、蜂巣炎(皮膚が赤く腫れ、熱、痛みがあらわれる)、処置後腫脹(処置部位の腫れ)、眼振(眼球の揺れ)、血管炎、体温低下、体温上昇が各1例(各1.3%)でした。

乳児型以外(主にⅡ型またはⅢ型)のSMA患者さんを対象に行われたスピンラザの臨床試験では、解析の対象となる患者さんの28.6%(84例中24例)に副作用が認められました。

主な副作用は頭痛8例(9.5%)、背部痛7例(8.3%)、発熱6例(7.1%)、嘔吐2例、腰椎穿刺後症候群(髄液の漏れ)2例(各2.4%)でした。

水頭症(頻度不明)が報告されていますが、薬剤投与にかかわらずSMAのある人はSMAのない人と比べて水頭症が多く発現しているという報告があり、薬剤との関連性は明らかではありません1

スピンラザはアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤に分類される薬です。海外において、他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤で血液凝固異常、血小板減少や腎障害が報告されています。


・注射(腰椎穿刺)関連の症状

注射(腰椎穿刺)に関連して、以下の症状があらわれることがあります。スピンラザの投与後、医師の指示のもと注意して観察を行います。

発熱、頭痛、背部痛、嘔吐、注射部位からの漏出(ろうしゅつ)、脚のしびれ、排尿障害、意識障害

退院後でも、これらの症状があらわれた場合には、医療機関にご相談ください。

1.  Viscidi E, et al.: Orphanet J Rare Dis. 2021; 16(1): 207.