脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)(SMA)は、運動に使う筋肉をコントロールする神経に影響を及ぼす、遺伝性の病気(神経筋疾患:しんけいきんしっかん)です。

SMAは症状が少しずつ進行していく病気であり、どのタイプでも歩くことや立つことなど、これまでできていたことが徐々にできなくなってしまう可能性があります。

SMAのタイプ別運動機能の推移(イメージ)

 

SMAは症状が出始める年齢と到達できる最も高い運動機能に従って大きく5つのタイプに分類されます。

SMAのタイプ

 

体を動かすときには、まず脳から「動け!」という信号が上位運動神経を伝わって脊髄にある脊髄前角細胞(せきずいぜんかくさいぼう)に届きます。

次にこの脊髄前角細胞から下位運動神経を伝わって手や足などの筋肉に信号が届くことで、手足を自由に動かすことができるようになっています。

SMAは筋肉を動かすしくみのうち、脊髄前角細胞(下位運動神経)が変性し、筋肉を動かす機能を維持できなくなる「下位運動神経障害」に分類されます。
脊髄前角細胞の変性は感覚神経には影響しないと考えられています。

筋肉を動かすしくみ、下位運動神経のしくみ